ビハーラとは
ビハーラ病棟は、がんの患者様の休息・安らぎの場所です。がんという病気によって、身体の疼痛に苦しんだり、これから先自分はどうなるのだろうという不安を抱えたり、闘病生活に疲れ切って鬱状態に陥ったり、これまで通りの社会生活を送れなくなったり・・・、様々なストレスや変化を経験し、身体的、精神的、社会的な次元の苦痛のみならず、スピリチュアルな次元においても、様々な苦痛が引き起こされることがあります。ビハーラ病棟では、それらの苦痛を出来る限り緩和し、患者様が大切な人と一緒にその人らしく安心して過ごしていただくことができるよう、全人的ケアを行います。そのため、医師や看護師、介護士、ソーシャルワーカー、理学療法士、管理栄養士、臨床心理士、臨床宗教師(僧侶)、ボランティアなど、多職種のスタッフが各々の専門性を生かし、チームでケアを提供させていただきます。したがって、積極的に抗がん治療を行うのではなく、寿命を無理に引き延ばすことも縮めることもせず、自然から賜った寿命の中でQOL(Quality of Life: 生活の質)を向上させることを重視しています。
中庭 | 中庭 |
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八角堂 | |
2階廊下 | 中庭 |
施設のご紹介
患者様が最も快適にリラックスして生活できる環境を想定したとき、ご自宅で療養されることが理想ですが、それが叶わない場合でも、なるべくご自宅に次ぐような環境を提供できればと考え、一般的な医療施設とは異なり(いわゆる"病院"らしい建物ではなく)、日本の風土や日本人の感覚に合う伝統的な日本建築を建設するという結論に至りました。時を経れば経るほどにますます味が出る無垢の天然木を、宮大工さんの匠の技によって生かした、木造二階建ての病棟です。こうして計画された病棟は、癒しの雰囲気に満ちた高級温泉旅館のようなイメージに仕上がりました。
中庭には日本庭園、屋内には胎蔵界曼荼羅*を立体表現した八角堂があります。患者様とご家族がお好きな食べ物を料理していただくことのできるファミリーキッチンや、独りきりで落ち着いて過ごしたい時、自由に利用していただける「祈りの間」もあります。八角堂に安置された仏さまに見守られながら、ご希望に応じてエンカウンター・グループ**も行う予定です。
八角堂 | 祈りの間 |
家族室 | |
聖観音様 | 中庭 |
* 胎蔵界曼荼羅は、密教の両界曼荼羅の一つです。大日経にもとづき、如来の慈悲からすべての仏・菩薩が現れ、衆生を救済することを象徴しています。
** エンカウンター・グループは、アメリカの臨床心理学者カール・ロジャーズが開発したカウンセリングの方法であり、集団心理療法の一つです。グループで感じた事を思うままに本音で話し合っていきます。 ファシリテーター(グループをまとめる役)がその進行にあたります。
仏教の精神にもとづいているとは?
ビハーラ病棟は、歴史的にも聖徳太子が建立したと伝えられる四天王寺の四箇院にその事例を見出せるように、本来医療や社会福祉の活動と密接に関わっていた仏教の慈悲と智慧を拠り処としていますが、患者様やご家族に対して特定の信仰や入信を求めるものではありません。あくまで信教は自由ですので、どのような信仰をお持ちの方でも、あるいはお持ちでない方も、ご入院いただけます。宗派、宗教を超えて、共に支え合い、共に死生観を育んでいけるような場所を目指しています。
慈悲と智慧に包まれた仏さまの世界が映し出されるような場所となるように祈りつつ、勤めてまいります。
中庭 | 中庭 |
外観 | |
吹抜 | 1階談話室 |
聖恵ビハーラ(緩和ケア病棟) 外来受診と入院について
ビハーラ病棟 求人について
九州・中四国で初のビハーラ(仏教の精神にもとづいた緩和ケア病棟)の
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ビハーラ病棟 ボランティア募集について
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医療法人(社)聖恵会 福岡聖恵病院 〒811-3105 福岡県古賀市鹿部482 電話092-942-6181(代表) FAX943-7220
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